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【交通事故治療の基本】交通事故の損害賠償請求をするときに知っておきたいこと!

交通事故で被害を被ったときに、事故の加害者に損害賠償請求できる損害の中に「財産的損害」があります。財産的損害は、法律上定められた生命や身体、財産権、名誉など、人格的利益の侵害により生じた財産上の不利益のことをいいます。

今回は交通事故の損害賠償請求をするときに知っておきたいこととして、財産的損害である「積極損害」と「消極損害」の二つと、「精神的損害」についてまとめています。

 

積極損害に対する賠償請求とは?

財産的損害の一つである「積極損害」が指している損害とは、交通事故に遭ったことで生じた財産的支出についてです。

たとえば、交通事故治療で必要となる医療機関での診療費や治療費を筆頭に、入院費なども損害の一つに含まれています。診療費や治療費は、「医学的に必要とされる治療に対する請求が可能」であり、「過剰診療などについては請求を却下される」ことがあります。

診療や治療、入院ではだれかに付き添いをしてもらうこともあるため、付添看護費用もまた積極損害として請求することができます。

そのほか、入院にかかった雑費や通院にかかる交通費、医療器具や医療装具のレンタル費や購入費、バリアフリーにするなどの自宅や自動車のリフォーム費用、弁護士を依頼するときの報酬や依頼費用、諸々の請求手続きにかかった費用など、積極損害として請求できる損害はさまざまです。尚、死亡事故による損害に対しては、150万円ほどかかるとされる葬儀費用の支出についても積極損害になります。

 

消極損害に対するに対する請求とは?

もう一つの財産的損害である「消極損害」は、積極損害の交通事故により支出を余儀された財産上の不利益に対する損害とは異なり、消極的な利益の損失に対しての損害を指します。

逸失利益ともいわれる消極損害は、交通事故がなければ得られた利益(収入など)を失ってしまった場合を損害としています。

消極損害は、「休業損害」と「狭義の逸失利益」の二つに分かれています。休業損害は、治療中や症状固定と医師から判断されるまでのあいだに、事故がなければ得られたであろう収入や、利益が少なくなったこと(給料の一部が減った、ボーナスがないなど)に対する損害を指します。

一方、広義と狭義の意味合いがある過失利益ですが、広義の過失利益は死亡事故や後遺障害の残った傷害事故の逸失利益や休業損害が含まれ、「広義の過失利益から休業損害を外した損害」が狭義の過失利益となります。

消極的損害については立証することが非常にむずかしいとされており、損害額の算定もたいへん複雑です。

 

精神的損害に対するに請求とは?

財産的損害のほか、交通事故で被害を被ったときに賠償請求が可能な「精神的損害」があります。

精神的損害は、交通事故により肉体をはじめ精神的な苦痛を被ったことに対する損害を指します。精神的損害に対しての賠償請求金は主に「慰謝料」と呼ばれ、金銭による賠償を受けることが原則です。

精神的な損害は目に見えるものばかりでなく、被害者本人でないと全てを理解することが困難なため、慰謝料の算定基準も困難を極めます。そのため、慰謝料額の決定にはこれまでの裁判例などを参考に算定していくことになります。

損害賠償では、被害者側の収入格差により差が生じるため、ケースによっては死亡事故よりも軽い傷害事故の方が損害賠償額は高くなることがあります。そのような不合理さを緩和させる意味合いから慰謝料が存在しており、損害賠償だけでは埋められない損失を可能な限り補えるようにしています。

 

 


一口に損害賠償請求といっても、損害の種類によって請求の仕方や賠償額などが異なります。交通事故の被害者が加害者に損害賠償請求をするときには、今回紹介した「積極損害」や「消極損害」、「精神的損害」については絶対に抑えておくようにしましょう。

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