バイク事故では、相手側が自動車などの車両だけでなく「歩行者」である場合があります。
ここでは、バイク事故が「対歩行者」であったときの過失割合や「バイクの単独事故」についてまとめています。
目次
対歩行者のバイク事故は「歩行者<バイク」
事故の弱者側に有利なる過失割合ですが、バイク事故の対歩行者における過失割合は「歩行者に有利」に働くため、「歩行者<バイク」になります。
これは、自動車事故の対歩行者の過失割合と同じで、バイクよりも歩行者のほうが事故で死亡に至る確率や怪我が重症になる可能性が高いためです。
対歩行者との事故では歩行者側の過失割合が高くなるケースはあまりなく、ほとんどの事故で歩行者の過失割合が減らされるようになります。しかし中には、明らかに歩行者に過失があるときには歩行者の過失割合が高くなることもあります。
バイクの過失割合が高くなるケースとは?
対歩行者のバイク事故については、弱者である歩行者に過失割合がより有利に働くようになっています。
【バイクの過失割合が高くなるケースの例①】
バイクに100%過失があるとされるケースは、横断歩道(信号機あり)で歩行者側は青信号、バイクは赤信号にも関わらず侵入したときの衝突事故です。歩行者が歩行者用道路や歩道を歩いていたときに、バイクが侵入してきて起きた事故についてもバイクの過失が100%になります。
横断歩道のない狭い道路を歩行者が横断していておきた事故では、過失割合が1対9とバイクの過失が高くなります。
【バイクの過失割合が高くなるケースの例②】
昼間の明るい時間帯に歩行者が道路で寝ていたときに発生した事故では、バイクが事前に歩行者が寝ていることを発見しやすい状況であったときには、2対8とバイクの過失割合が高くなります。
しかし、事前に発見しがたい状況であったときは過失割合が3対7となりますが、それでもバイクの過失割合のほうが高くなります。これが昼間でなく暗い夜間であったときには、5対5で過失割合が同じになります。
歩行者の過失割合が高くなる・同等となるケースとは?
バイクと歩行者の事故で歩行者の過失割合が大きくなることはそれほど多くはありませんが、明らかに歩行者の交通違反であったときには歩行者の過失割合が高くなります。
【歩行者の過失割合が高くなる・同等となるケースの例①】
たとえば、横断歩道(信号機あり)で歩行者が赤信号であるにも関わらず横断歩道に侵入、バイクは青信号で進入したときの衝突事故では、7対3と歩行者の過失割合が高くなります。
【歩行者の過失割合が高くなる・同等となるケースの例②】
歩行者とバイクで過失割合が、同じになるケースがあります。横断歩道(信号機あり)で歩行者は赤信号にも関わらず横断し、バイクは黄色信号で進入して起きた際の事故は、過失割合が5対5と同じになります。
バイクの単独事故で多いケースとは?
「単独事故」とは、事故を起こした本人に過失ならびに責任がある事故のことをいいます。
二輪自動車の5割強を占めているのが電柱やカードレール、建物などへの衝突事故であり、3割ほどは転倒事故です。二輪自動車の単独事故率は全体の約3割、原付バイクの単独事故率は全体の約2割です。
そして、バイクの単独事故で特に多いのが、「カーブでの事故」です。
カーブでの事故が多い原因としてはスピードの出し過ぎや、曲がり切れるという過信によって起こることが多いようです。特に、カーブ事故の多くは右カーブで起きていることが分かっています。バイクを運転している人の多くが右カーブに苦手意識を持っているため、特にスピードの出し過ぎには気を付けましょう。
そのほか、バイクは「急ブレーキや急な加速」により、事故発生率が高くなる傾向にあります。見通しが悪いような道や夜間の運転には、十分注意したうえで安全運転を心がけましょう。
バイクは自動車よりも急ブレーキが効きにくく、停車するまえに横にふられて倒れやすい状況に陥ります。急ブレーキや急発進による反動力で身体が車体から引き離されて、大きく飛び出してしまうことだって大いにあり得ます。
こういったことが原因でバイクの単独事故はよく起こっていますし、ルールを守っている歩行者にも危害を与える可能性があるのです。バイクが多い地域では歩行者自身もあまり車道に近づかないなどの対策が必要ですし、何よりもバイクを運転する人が安全運転を心がけて他人にも自分にも被害が及ばないように気をつけなければなりません。