バイク事故の損害賠償金を算出するための要素となることが「過失割合」です。
以下は、バイク事故が発生したときに相手側が「自動車」に乗っていたときの「対自動車の過失割合」についてまとめています。
目次
バイク事故「対自動車」の過失割合は?
バイク事故が対自動車であったときは、「過失割合」と「過失相殺」が損害賠償金を算出するための大きな要素になります。
そして、対自動車のバイク事故では「バイクが自動車よりも過失割合が低く優遇される」ことを前提として覚えておきましょう。
◎過失割合
「過失割合」とは、交通事故が発生したときに事故の当事者双方の過失(責任など)の割合のことをいいます。
◎過失相殺
「過失相殺」とは、被害者にも過失があるときに加害者から被害者に支払う損害賠償金が割合によっては減額されることをいいます。
過失割合はバイク<自動車
過失割合は「弱者」側を保護することになっています。
車体によって守られている自動車にくらべると、身体が露出されているバイクの方が弱者とさえるため、双方とも同じ状況で起きた事故であっても「バイク<自動車」とバイクが自動車よりも過失割合が低くなります。
自動車と自動車同士の事故よりも、バイクと自動車ではバイク側の過失割合が1割から2割ほど低く算出されることが多いとされています。
過失割合が「バイク<自動車」になる例
たとえば、急ブレーキによる追突事故が起きたケースでは、急ブレーキをした前方車にバイクが追突したときの過失割合は、自動車が追突したときの過失割合にくらべて「4割ほど低くなる」とされています。
バイクが自動車よりも弱者であるからこそともいえますが、自動車にくらべて「バイクは急停止が困難」であることが理由の一つでもあります。
バイクの過失割合が高くなるケースとは?
自動車同士の事故にくらべ、バイクと自動車の事故では過失割合はバイクのほうが低くなるように働きます。しかし、事故の状況によってはバイクのほうが自動車よりも過失割合が高くなることもあるので念のため覚えておきましょう。
《バイクの過失割合が高くなるケースの例①》
交差点(信号機あり)で自動車が青信号で直進したときに、赤信号にも関わらずバイクが交差点に進入、または直進したときです。バイクがセンターラインをオーバーしたことで対向車と衝突した事故では、明らかにバイク側に交通違反があったとされ、10割の過失がバイク側にあったとしてバイクの過失割合が高くなります。
《バイクの過失割合が高くなるケースの例②》
同じようなシチュエーションでバイクは赤信号、自動車は黄色信号であったときは、「7対3」でバイクの過失割合が高くなります。
《バイクの過失割合が高くなるケースの例③》
一時停止義務がある交差点で、バイクが一時停止をせず、さらには減速をせずに交差点に進入したとします。そのとき自動車は一時停止をしたうえで減速をしていたとしたら、「8対2」でバイクの過失割合が高くなります。
自動車の過失割合が高くなるケース
自動車同士であれば相手側の過失割合が高くなるケースであっても、バイクと自動車の事故ではバイクに有利な過失割合になることが多くなります。
《自動車の過失割合が高くなるケースの例①》
交差点(信号機あり)で赤信号だったにも関わらず、バイクと自動車が共に交差点に進入し衝突事故が起きた場合は、「4対6」と自動車の過失割合が高くなります。
《自動車の過失割合が高くなるケースの例②》
交差点(信号機なし)でバイクと自動車の衝突事故が起きたときに、双方とも同じ速度で走っていたときには「3対7」で車の過失割合が高くなります。どちらも同じ条件のもとで事故にあったにも関わらず、弱者であるバイクは自動車よりも過失割合が低くなる場合が多いのです。
《自動車の過失割合が高くなるケースの例③》
同じく交差点(信号機なし)でバイクと自動車の衝突事故が起きたときに、バイクは減速をせずに侵入、自動車は減速をしたうえで侵入したときであっても、「自動車の方が過失割合は高く」なります。
バイクを走行中は身を守るものが極端に少ないため、対自動車との事故が起きたときは過失割合が低く算出される傾向にあるようです。しかし、交通事故の原因や状況によってはバイクにすべての過失割合があるときもあることを忘れてはなりません。単独事故だけでなく、自動車や歩行者、自転車などとの事故を起こさないようにどのような状況でも安全運転を心がけることを第一に考えましょう。