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症状が出ていなくても油断大敵!交通事故で負いやすい主なケガの症状とは?

交通事故により大きな外傷を負っているときには、ただちに病院で検査をして適切な治療を受けなければなりません。しかし中には、小さな事故や外傷がみられないからといって、病院で検査を受けずに経過観察をしてしまい、ケガや症状に後になって気づいたという人も多いようです。検査を受けずに自己診断のうちに軽傷だと決めつける、これほどに危険なことはありません。

交通事故に遭ったときに絶対に忘れはいけないのが、「小さな事故でも身体には大きなダメージがかかっている」ということです。

事故後は症状が起きていなくても必ず医療機関で検査することはもちろんこと、数日後

または数ヵ月後に以下のような症状が万が一生じたときには、すぐに医療機関で再検査をしてもらうようにしましょう。

 

症状① 首の違和感や痛み

交通事故により負ったケガの症状で、特に多いのが「首」に関連した症状です。

リラックスして身構えることもない状態で突然強い衝撃を受けてしまう交通事故では、首に大きな負荷がかかりやすいのです。そして、首の症状は事故直後には軽かったのに、数日してから、遅いときには数ヵ月してから痛みや違和感といった症状を伴うことがあります。

「頚椎捻挫」は、事故の衝撃で運動範囲、可動範囲以上に首を強く動かされたことによって、首にある筋肉や関節などを痛めてしまい症状が生じることをいいます。交通事故で最も多いとされる「むちうち症」は頚椎捻挫の一つであり、首をいつものように回せない、凝りがあるような違和感、ずきずきとした痛み、生活に支障をきたすなど、いろいろな症状が発生します。

むちうち症が疑われるときには、患部を安静に保つこと、そして早期に治療を開始することで回復の見込みが早いとされています。

 

症状② 手や腕に痺れ・だるさ

「外傷」があればキズ口が痛むので、交通事故のケガをしたことにすぐに気づくでしょう。時間が経つとキズの痛みが治まってくるので油断しがちですが、ケガの状態によっては少しずつ「手や腕に痺れやだるさ」を感じることがあります。

このような症状の原因は、交通事故で受けた大きな衝撃によって身体の神経が急激に圧迫されたこと、それに筋肉が異常に緊張していることから「痺れやだるさ」が生じてくるとされています。

痺れやだるさの症状が悪化してしまうと、お尻、そして足にまでに痺れやだるさを感じる「坐骨神経痛」といった症状まで悪化してしまうことがあります。

はじめの症状としては、患部が痛い、重く感じるといった程度です。しかし、その症状を放置してしまうと手や腕に痺れが生じることがあるので、症状が重くなるまえに早めに医療機関で診てもらうようにしましょう。

 

症状③ 腰痛

交通事故で後部から追突を受けたときに多いケガに、「頚椎捻挫」、「むちうち症」が挙げられますが、腰に強いダメージを受けたときにもまた「腰痛」などの症状が起きることがあります。

むちうち症の多くは首に多く発生することが多いので腰痛に気づきにくいのですが、実は腰や下半身にも大きな損傷を受けていることがあるのです。

腰の場合はぎっくり腰のような「急性的椎間関節捻挫」と呼ばれる症状が多く、うまく歩行ができない、立って歩くこともままならない、といったケースもある非常に深刻です。安静にしていても実は症状が悪化していることもあるので、ひどいときには慢性的な痛みとなって長期にわたり治療が必要になることがあります。

また、腰痛がひどいときには「循環障害(棘間靭帯や棘上靭帯など)」と呼ばれる症状の場合があります。これは、靭帯の断裂や炎症などが起きていることから強烈な痛みが生じることがあります。こういった最悪のケースでは、足腰の痺れだけでなく、全身の麻痺を引き起こす可能性もあるので、異変を感じたらすぐに医療機関で再検査や治療を受けるようにしましょう。

 

症状④ 頭痛

交通事故で頭部に強い衝撃を受けたときには、必ず「脳外科」で詳しい検査をして適切な治療を受けるようにしましょう。

頭部に打撲を負ったときには、「脳脊髄減少症」という症状を引き起こした場合があり、脳外科の医師の指示のもと治療を受ける必要があります。

そのほか、事故後に「頭痛」の症状が生じているときには頚椎捻挫でよくある「むちうち症」などが原因で頭痛やめまい、吐き気などの症状が生じることがあります。むちうち症に関してはCT検査やMRI検査をしても異常が発見されないため、知らないうちに副交感神経の動きが制限されることにより頭痛などの症状を引き起こすことがあるのです。

むちうち症以外には、「バレー・リュー症候群」や「筋緊張性」といった症状が原因で、頭痛や吐き気などを引き起こすことがあります。頭部の損傷は、打撲によって腫れてしまう以外にも脳に深刻なダメージを受けていることがあるので一刻も早い検査と治療を受ける必要があります。

 

症状⑤ 頸椎捻挫

「頸椎捻挫(けいついねんざ)」は、交通事故で生じる最も多い症状の一つです。

事故による大きな衝撃を受けたことにより筋肉や関節、腱などの組織が損傷を受けたことが原因で、首をはじめとした部位の可動範囲を制限してしまうのです。

ひどい場合には神経を傷つけてしまうこともあり、頸椎捻挫は「頚椎捻挫型」や「神経根症型」、「脊髄症型」といったようにそれぞれ分類されています。

むちうちといわれる頚椎捻挫型は短い治療で完治まで約1カ月、長いと約3カ月、慢性化してしまうと3カ月以上の期間を治療に要します。事故直後はとにかく患部を安静に保つことが重要であり、痛みや熱が治まってきたら本格的に治療が開始されます。

治療を早くはじめることで回復も早くなるとされていますので、痛みがひどくなるまえに必ず医療機関で診察を受けるようにしましょう。

 

症状⑥ 椎間関節症候群

「椎間関節症候群(ついかんかんせつしょうこうぐん)」は、適切な治療を受けないと後遺症が残ることもあるので注意が必要です。

交通事故により強い刺激を受けたことで頸部や上部外側部に痛みが発生します。痛みの原因は、滑膜ひだが背骨の間接と間接の間に挟まれることにより痛みが生じるといわれています。特定の方向へ曲げ伸ばしをする動きのときに痛みがひどくなります。間接突起に変形が起きていると長期にわたって症状がでることがあります。

頭痛や吐き気、めまいなどの症状が生じたときには、まず医療機関でレントゲン検査を受けて異常がないか詳しく検査をします。検査結果で骨などに異常が発見されないときには、「椎間関節症候群」である可能性も考えられるようです。患部を冷やしながら安静に保ち、炎症を鎮静感させて徐々に軽いストレッチなどを実践するなどの治療をしていきます。

 

症状⑦ バレー・リュー症候群

交通事故の数日後、数ヵ月後に頭痛やめまい、吐き気や眼がかすむ、耳鳴り、食欲不振、倦怠感などといった症状がでてきたときには「バレー・リュー症候群」である可能性があります。バレー・リュー症候群は病院での検査では異常が発見されないため、知らず知らずに症状が悪化していることもあります。

症状の原因は事故により神経根が圧迫されて、交感神経などの自律神経に影響を起こしているためだとされています。副交感神経と交感神経のバランスが保たれていないため、さまざまな症状を引き起こします。

治療法は、星状神経節のブロックや抗交感神経薬投与が有効とされています。

 

症状⑧ 脊髄障害

「脊髄障害(せきずいしょうがい)」は、交通事故で骨折や脱臼、椎間板の損傷などにより脊髄が傷つて圧迫されることによる起こる症状です。

中枢神経である脊髄は脳と同じで一度キズを負うと再生することができないことから、重度の症状とされています。

脊髄を損傷することで起こる障害には、手や腕に力が入らないといった四肢麻痺や、感覚を感じとる機能の低下、それに自律神経機能の低下により起こる体温調節機能の低下などさまざまです。

損傷した部位によっては障害が重く、歩行が困難になるといった深刻な状態を引き起こすこともあります。

脊髄障害の治療法は主にリハビリによるものです。一度失ってしまった中枢神経の感覚を取り戻すことはできませんが、失われていない運動機能を今後の生活に活かしていけるようにリハビリをしていきます。

 

 


今回ご紹介した交通事故で負いやすい症状やケガは、ほんの一部に過ぎません。これらの症状にすべての人のケガが当てはまるとは限りませんし、何よりも自己診断は最も危険なことです。交通事故に遭った、もしくは起こしてしまったときには、ケガの症状がでていなくても必ず医療機関で精密検査を受けるようにしてください。