任意の自動車保険(任意保険)では、損害保険料率算出機構の参考純率をもとに「等級制度」が定められています。等級ごとに保険料の割引率や割り増し率を決めています。保険料を安く抑えるためには、どれだけ保険の等級をアップできるかがとても重要な要素になります。
そこで今回は、保険料に大きく影響する任意保険の「等級」に着目して、等級の基本や等級ダウンについて、そして最後には1等級になるリスクについて紹介します。
目次
任意保険の等級について
・ノンフリート契約とは?
個人で任意保険に加入するには、一般的に1台から加入できる「ノンフリート契約」を結びます。ノンフリート契約では、1級から最大20級までのノンフリート等級が定められており、新規で加入すると6級から等級がスタートします。
・等級制度の仕組みとは?
任意保険の契約をしてから「1年間無事故」であれば、翌年からは等級が「1級上がり」、保険料の割引率も高くなります。
一方で、交通事故を起こし保険を使った補償を受けたときには、補償内容により「3級~1級の等級ダウン」になります。
契約者の等級が3級以下になってしまったときには、割引率がなくなってしまい、割り増し率が発生しまうので注意が必要です。
・等級は引き継がれる!?
保険会社との契約は1年契約が一般的であるため、保険の見直しで保険会社を変えることができます。等級については、これまでの等級がほかの保険会社でも「引き継がれる」ため、等級が3級であれば他社へ乗り換えをした後でも等級は3級のままです。
3等級ダウンと1級級ダウンについて
等級のダウンについては度々変更になるため、その都度ルールに変更点はないかよく確認しておきましょう。
◎3等級ダウンになる事故の例
・対人賠償保険や対物賠償保険による補償を受けた
・車両保険の補償を受けて自動車を修理した・・・など
◎1級級ダウンになる事故の例
・契約している自動車が盗難に遭い車両保険の補償を受けた
・自然災害による損害で車両保険の補償を受けた
・落書きなどの被害に遭い車両保険の補償を受けた・・・など
◎ノーカウントになる事故の例
3等級ダウンや1級級ダウンのほか、等級が下がらない「ノーカウント事故」があります。
・人身傷害や搭乗者傷害保険だけで補償を受けた
・弁護士特約の補償を受けた・・・など
1等級になってしまったらどうなる?
等級制度のなかで20等級を持つ人は、長いあいだ無事故を続ける「優良ドライバー」といえます。20等級は、保険料の割引率が最も高いことから「6割引ほど」の割引を受けられるようです。
これまでの契約者が高齢になり保険料の値上がりがされたとしても、等級が高い人であればそれほど大きな値上がりにはなりません。
それでは実際に、等級が一番低い「1等級」になった場合はどうでしょうか。
・1等級の保険料の目安
1等級を持つ契約者は、ほかの誰よりも事故を起こす確率が高いということで保険料の割引はなく、「割り増し(約6割増し)」になります。
・1等級のリスクについて
1等級になったときのリスクとして「任意保険の契約更新ができない可能性」があります。保険会社を変えようと試みても、ほかの保険会社から受け入れを拒否される可能性が高くなります。
契約更新ができない、契約を結べないというときは任意保険がないまま車を運転せざる負えない状況に至るので大変危険です。
・等級をリセットする
1等級であることが原因で保険に加入できない場合、新たに任意保険に入るためには「一度等級をリセット」する必要があります。
等級をリセットするには、「自動車保険を解約後、13カ月間以上を保険に加入しない無保険」で過ごす必要があります。
このような最悪のリスクを負わないためにも、交通事故を起こさず、等級を下げないようすることがとても重要なことなのです。
任意保険の保険料を決めるための条件は色々とありますが、今回見てきた「等級」に関しても保険料を大きく変える要素になります。交通事故を起こさない、または車両保険などを使わないことで1年ごとに等級数を上げることができるため、保険料を抑えるためにはできるだけ等級数をキープしておくことが大切なポイントになります。