車やバイクよりも維持費などが安いことから「自転車」で通勤、通学をする人が増えています。自転車に乗る人が多くなるにつれて問題になってくるのが自転車と自動車、自転車と歩行者との事故の多発です。
事故の大きさによってはすり傷程度で済むこともありますが、衝撃から身体を守るプロテクター装備がほとんどないことから、バイク事故と同じく死傷事故につながる可能性があるのが自転車事故なのです。
自転車による交通事故の発生率は?
交通事故全体でみると年々少しずつではありますが、事故の発生率が下がっているようです。自転車事故に関しては上昇することはなく、わずかではありますが減少の傾向にあるようです。
しかし、いまもなお自転車事故は交通事故全体の2割ほどを占めていることを忘れてはなりません。自転車を安全に運転するための道路整備や安全措置、そして個人の運転マナーが徹底されていないことが原因です。
自転車事故は、未成年の学生や高齢者による運転が大半を占めています。自動車やバイクの運転とはちがい、運転免許の取得が必要ないことから誰でも気軽に乗ることができることが事故の多発に影響しているようです。
なかでも高齢者の自転車事故は死亡事故となる可能性が非常に高く、少子高齢化に伴い今後も自転車事故が増加する可能性がないとは言い切れないのです。
自転車事故に多い運転しながらの携帯電話使用
自転車を移動手段として使う人が増えて、さらには事故が多発したことから昔は徹底されていなかった自転車の違反についても厳しく定められるようになりました。
自転車といっても時速15kmほどのスピードがでる乗り物ですので、歩行者や外壁などに衝突してしまうと怪我だけでは済まず、最悪の場合は死亡事故になる可能性もあります。
近年は、スマートフォンなどの携帯電話の利用者が爆発的に増えたため、スマートフォンの画面を見ながらの走行や音楽を聴きながら走行していたために事故が起きたというケースが増えています。
携帯電話を操作しながらの運転やイヤーフォンを装着して音楽を聴きながらの運転は「道路交通法」に基づき懲役、または罰金が科せられますので絶対にしないようにしましょう。
自転車事故によっては運転している本人だけの単独事故ということもありますが、歩行者やそのほか事故に相手方がいる場合には、損害賠償を請求される事故に発展する可能性もあります。
自転車に乗るときには安全運転を心がけ、運転マナーについてもよく理解したうえで運転するようにしましょう。
自転車に乗る人向けの「自転車保険」とは?
自動車やバイクにかける自動車保険やバイク保険があるのは知っていたけど、自転車にもかけることができる「自転車保険」があることを知っている人はそれほど多くないのではないでしょうか。
自転車で通勤、通学をする人のなかには、急いていたために誤って自転車で人をひいてしまった、自動車や物に自転車をぶつけてしまったということも少なくありません。なかでも多い自転車事故が対人事故であり、被害者に大きな怪我を負わせてしまったときには加害者が自転車に乗っていたとしても高額な損害賠償が請求される可能性があります。
安全運転を心がけ、事故を起こさないのが一番です。それでも、万が一の事故に備え自転車を頻繁に利用する人は自転車保険への加入を検討したほうがいいでしょう。
保険会社によりさまざまな自転車保険のプランがあり、自転車を運転するお子様のために保険を付けることもできますし、家族全員を補償できる保険に加入するのもおすすめです。
最悪死に至る可能性も・・・自転車事故による怪我について
自転車の運転するときには「ヘルメット」や「膝・肘パット」、「胸部プロテクター」などの装着が推奨されていますが、法律で義務付けられているわけではありません。
そのため、多くの人が無防備の状態で自転車に乗っていることから、事故にあったときに身体に大きな衝撃を受けてしまうのです。自転車事故による怪我が軽症であっても交通事故であることに変わりはありませんので、医療機関で怪我の具合や隠れた損傷がないかなど詳しい検査することが大切です。
目には見えない怪我のなかには「むちうち症」や「頚椎捻挫」といった症状を起こしていることがあります。このような怪我は事故直後には痛みがでていないことも多く、事故から数日後、数ヵ月後に症状が現れることもあります。
事故から数日経って痛みがでてきて気分が悪いといったときには、すぐに病院で診察してもらいましょう。
自転車だからと事故の衝撃を軽視しては危険です。スピードに乗っている状態で人にぶつかれば、自動車やバイクと同じくらいの衝撃を受けてしまいますし、急ブレーキすることもむずかしいのです。
社会問題にもなっている自転車事故ですが、打ち所が悪いと最悪は死に至る可能性も高いので自転車を運転するはもちろんのこと、歩行者も道を渡るときやジョギングをしているときには左右、そして前後をよく確認しながら事故にあわないように気をつけましょう。