【交通事故】物損事故から人身事故へ切り替える方法
交通事故の発生当時は目立った怪我もなく痛みもなかったことから、「物損扱い」として警察に報告するケースが少なくありません。しかし、事故から数日後に首や腰が痛いといった症状が現れたときには、物損扱いとしていた事故を「人身事故へ切り替える」必要があります。
ここでは、物損事故から人身事故へ切り替える方法についてまとめています。
目次
早いうちに警察へ届けを出す
当初は物損事故だと思っていたけれど、実際には事故から数日後に痛みなどの症状が発生することがあります。そのようなときには、できるだけ早く物損事故から人身事故に切り替える手続きをしましょう。
まず、物損事故から人身事故への切り替えでは「警察へ届けを出す」必要があります。
痛み現れたらすぐに医療機関で診察を受けて、担当医師に診断書を書いてもらいましょう。診断書は事故から3日以内に作成されたものが良いとされています。
人身事故への切り替えには、医師からの診断書とそのほか必要書類一式を警察に提出します。警察への届け出は遅くとも事故発生から10日前後がベストとされています。
事故後すぐに届け出をしたときは事故と因果関係が認められやすいですが、事故発生からかなりの期間を空けて届けを出した場合は、事故との因果関係が認められず人身事故への切り替えができない可能性があります。
警察による実況見分が改めて行われる
物損事故から人身事故への切り替えに必要な書類をすべて警察に提出したあとに「改めて警察による書類の調査や実況見分」が行われます。
警察による実況見分では、事故現場に事故の被害者や加害者が同行して事故が起こった経緯や当時の状況などを警察が聞き込み調査をします。実況見分が行われたあとは警察署に出頭して調書などの書類を作成します。
調査をとおして警察が人身事故だと判断すれば、物損から人身に切り替わるようになります。
人身事故証明入手不能理由書とは?
一度は物損事故扱いとした事故を人身事故扱いに切り替えるために警察に届けを出します。しかし、状況によっては警察が人身事故への切り替えを認めない場合があります。
それは、「被害状況(身体的被害・精神的被害など)と事故には関係性がない」と判断されたことが原因です。
◎人身事故への切り替えが認められなかったとき
警察が人身事故への切り替えを認めないと判断したときには、再度調査を依頼することはできません。
よって、万が一警察が人身事故への切り替えを認めないときには、「人身事故証明入手不能理由書」を加害者側の保険会社に提出することで人身事故(民事上)扱いにしてもらいましょう。
各保険会社に所定の用紙がありますので、必要事項をすべて記入して保険会社に提出をします。
それでも、やっぱり切り替えができなかったら?
物損事故から人身事故への切り替えをするときは、まず警察に届け出を提出して警察に判断を委ねます。
このときに、切り替えを認めないと判断されたときには人身事故証明入手不能理由書を加害者側の保険会社に提出して人身事故扱い(民事上)になるよう働きかけます。
しかし、なかでもそれでも切り替えが認められないことがあります。
◎保険会社も人身事故扱いと認めなかったとき
保険会社も人身事故扱いと認めなかったときは、一体どうしたら良いでしょうか。
この場合は、交通事故関連に詳しい「弁護士に相談」するのが一番です。
交通事故の被害者自身が任意の保険会社に加入していて、補償内容の中に弁護士特約が含まれていれば弁護士費用なども保険金で賄うことができます。
任意の自動車保険に未加入のときは弁護士に依頼するのは経済的な負担になりますが、相談するだけなら無料といった法律事務所もありますので積極的に相談してみましょう。
交通事故の状況によっては、一度は物損事故扱いとなった事故を人身事故扱いに切り替えることができます。しかし、物損事故扱いとなってから長い時間が経過してしまうと、事故との因果関係を警察からも保険会社からも疑われてしまい結局人身事故への切り替えができないことがあります。このような問題を起こさないためにも、身体に異常を感じたらすぐに医療機関で検査を受けて改めて警察に事故の届け出をしましょう。
交通事故による衝撃は自分自身が思っているよりも大きなダメージを受けています。そのため、事故当初から怪我の度合いに関係なく最悪の事態に備えて警察には「人身事故と明確に伝えて通報」したほうがさまざまな状況に対応しやすくなるでしょう。
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